ゲド戦記


一度、父親が断った作品を息子が映画化したという姿勢は好感が持てますが、どうしても父親の作品と比べられてしまうので父親が有名過ぎて、なおかつ息子が父と同じ道を目指した場合、映画監督に限らず2世は大変だろうと思います。


先々週に見てきました、遅れながら感想です



世界のバランスが崩れ、人々の頭も変になってきて、おまけに魔法の力も弱ってきているのでその原因を究明するために旅に出た賢人ゲドが旅の途中でアレンと出会ってという流れで話が展開していきます。けど原作をまったく知らないせいか評判ほどは悪くなかったです。ただ最初から最後までぐっと来るようなシーンがなかったのがもの足りなかった感じがしました。



冒険活劇シンクロニティ
とりあえずブレイブストーリーといいゲド戦記といい、砂漠に一人たたずんでると狼の群れに襲われるのが流行ってます(笑)通りすがりの誰かに助けてもらうところまで同じじゃないか!移動手段がドラゴンになったところとか



テルーとの会話
「父は立派な人です、駄目なのは僕の方だ」って台詞が
これから父親と比較されるであろう監督自身の台詞に聞こえました(苦笑)





幾つか解らかった点、もったいない点



アレンが父親を刺殺した理由
冒頭でいきなり父を刺します、思いきりドスっと。最初は剣を奪うためかと思ったんですがそうでもないみたいだし、台詞から父を尊敬していたこともわかります。恨みも無く「自分でもわからない」での一言で片付けちゃったアレン。
アレンも人間の頭が変になっている人の一人ってこと?


二重人格アレン?
死ぬことを異常なまでに恐れている割には狼に襲われた時も死を覚悟したり
賊からテルーを守る際に「命が惜しいだろ?」と問われて「命などいるか」と答えたり、人格が別人のようになっているので精神分裂症っぽく見えます



影アレン
アレンを追っかけてくるもう一人のアレン
説明不足な感じがいなめなく、結局よくわからない存在に。




魔法で鍛えられた剣
序盤から鞘から抜くことができない等、なにやら凄そうな剣という雰囲気はあるので期待していたのですけど剣が鞘から抜けた時に凄さがあまり伝わらなかったのが残念。威力を期待したわけじゃないですが魔女の手を切っただけ・・・って普通の剣でもできるじゃないか!(笑)



実は龍族だったテルー
これは伏線もなにも無かったのでけっこうビックリしました




その後アレンは大丈夫か?
最後に爽やかな顔して「自分を取り戻すために自分の国へ帰るよ」と言ってますが
父親殺しの罪状、正確には父親は国王なので国王殺しの罪状を忘れてませんか?…大丈夫なのでしょうか?賢人ゲドが弁護してくれても厳しいぞ




世界のバランスが崩れた原因
微妙にわからずじまい、なんだったんだろ?人の心のありよう?





監督の第1回目だし、原作が長いので2時間ぐらいの映画にまとめるのは大変だと思います。ただ父親の宮崎駿監督みたいに「食べ物を食べるシーン」や「豚」などの好きな動物にこだわりを入れるともっと面白いものになると思います。